プッチーニ:歌劇 トスカ 映画版
↑↑↑↑をamazon.co.jpで価格・在庫・内容をチェック/購入・予約する↑↑↑↑ 商品の説明Amazon.co.jpアンジェロッティが息せき切って教会に逃げ込む冒頭シーンから、一気に「トスカ」の世界へと、観る者を引きずり込んでくれる。このオープニングをはじめ、「トスカ」でつい見落とされがちだったさまざまなディテールについて、思わぬ発見をさせてくれる、素晴らしいオペラ映画である。 演技の中の歌はすべて口パクだが、違和感はゼロ。それよりも、カメラワークの工夫による視点の変化、歌唱から解放された歌手たちの迫真の演技など、映画による視覚的なメリットは計り知れない。 しかし視覚的な要素以上に、この映画には音に特徴がある。たとえば足音、カギのチャリーンという音、服のすれる音、ペンをカリカリと滑らせる音、あるいは風の音までが、過剰なくらいリアルに再現されているのだ。ささいな音のすべてに説得力があり、ドラマを緊迫感あふれるものにしている。もちろん5.1chサラウンドサウンドの効果は抜群。 観てのお楽しみを失うといけないので、具体的には言えないが、第3幕の冒頭など、聖アンジェロ城の情景、空気感が、これほどふくらみを持ったイメージを伴って表現されたことは、実際の劇場ではおそらくなかったのではないだろうか? 演奏も非の打ちどころがない。まず絶賛すべきはアラーニャのカヴァラドッシで、彼の持ち味である柔らかくち密で優しい歌は、最高の説得力をもってドラマの核心をえぐっている。惚れ惚れするほど官能的なゲオルギューも気の強く信心深い歌姫になりきっており、第2幕のスカルピア殺害のシーンなど、メッゾもいけるのでは?と思うほど低音にもアクの強い響きを聴かせる。ライモンディのスカルピアも、欲情をたぎらせた卑劣な権力者そのものだ。 随所にモノトーンで挿入されるセッション録音の演奏風景も効果的。特に、パッパーノの燃えるように情熱的な指揮ぶりがいい。コヴェントガーデンのオーケストラもそれに応え、たっぷりとした呼吸をもって歌に満ちた演奏をしている。初めてプッチーニの名作「トスカ」に出会う人はもちろんのこと、カラスの「トスカ」、グレギーナの「トスカ」に感激した人にとっても、この「トスカ」はまったく異なる感銘を与えてくれることは間違いない。(林田直樹) プッチーニの人気演目を、21世紀のオペラ界を担う豪華キャスト共演で映画化した話題作。共和派の画家・マリオは、脱獄した友人をかくまったとして警視総監に捕えられる。さらに、マリオを助けようとした恋人の歌姫・トスカに、辛い選択が強いられる。 |
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